最高峰GPU「RTX 5090」ハード単体の実性能は2割向上との報告 公式は“倍近い性能向上”AIの貢献謳う


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NVIDIAが先日の大型見本市で発表した最新GPU「RTX 5000」シリーズが注目を集めており、公称値では現行機種と比較して大きな性能向上を果たしたと称しているが、その具体的実力について疑問が生じている。

特に最上位モデルとなるGeForce RTX 5090は、前世代のRTX 4090と比較して最大2倍の性能向上を達成したことをアピール。新アーキテクチャに加え、DLSS 4やマルチフレーム生成(MFG)といったAI技術による画質向上機能が大きく性能向上に寄与しているとするが、これらの機能を加味しない、純粋な演算性能を求める意見が多く見られた。

しかし、中国市場向けに投入された「RTX 5090D」の検証結果と見られるデータが第三者により公開されており、前世代モデルRTX 4090と比較した際の実質的な性能向上は約20%程度であることが示唆された。毎年ベースの新製品投入であるため、決して悪い数字ではないが、公称値からは大きく乖離するため、当初の期待値からすれば物足りなさがあるかもしれない。

技術系フォーラムに投稿された検証データからはハードウェア面での懸念点として、電力制限やオーバークロックにおける課題が指摘されていた。

特にゲーミング用途への利用を考えると、性能向上に寄与したDLSS 4やMFGといったAI機能を対象のタイトルがサポートする必要もあり、(そもそもの必要性を含め)ソフトウェアに過度に依存している点については懸念の声が挙がっている。RTX 5090の価格は日本円で393,800円からとなっている。

一方、今回発表された5000シリーズの最廉価に位置する「RTX 5070/5070 Ti」をめぐっては、公称値で「RTX 4090と同等の性能を発揮する」と基調講演イベントの中で謳っており、価格も日本円で108,800円からとなるなど、上記の懸念があったとしても魅力的なモデルになるかもしれない。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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