結末が気になる『推しの子』実写版、注目の“有馬かな”の名シーンとは?本日公開映画を前におさらい


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原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴによる大人気漫画を原作とした『【推しの子】』が、11月28日からPrime Videoにてドラマシリーズの世界独占配信がスタートした。配信前からすでに賛否両論を巻き起こした本作の実写化だが、作品の面白さとクオリティの高さに一気見してしまった人も多いのではないだろうか。

本日20日には第8話に続く映画版も公開される。本稿ではそんな実写版『【推しの子】』の注目ポイントを、第1話から第6話をもとにおさらいしたい。(以下第1話~第6話の内容を含みます)

原菜乃華の見事な“有馬かなっぷり”

『【推しの子】』には数々の名シーンがある。たとえば、星野アイがファンの男に刺され息絶える間際に、我が子である星野アクアと星野ルビーに「愛してる」と伝えるシーン。そして、「恋愛リアリティショー編」にて炎上騒ぎから復帰した黒川あかねがアイを完璧にトレースするシーンも、序盤のなかで特に印象的だ。

第5話で描かれた「ファーストステージ編」にも、『【推しの子】』屈指の名場面が。初めてJIF(ジャパン・アイドル・フェス)の舞台に立ったB小町。実写版のオリジナルソング「我ら完全無敵のアイドル!!」とともにB小町が歌って踊る、本作の見どころのライブシーンだ。そんななか、有馬かなはみんなに求められるルビーとMEMちょを見て、人気が下がる一方だったつらい過去を思い出し、表情が暗くなる。

そのとき、有馬のメンバーカラーである白色のサイリウムが1本立った。全力でヲタ芸を打つアクアの姿を見た有馬は「あんたの推しの子になってやる!」と宣言する。このシーンで、有馬役を務める原菜乃華はルビーとMEMちょを羨む“陰り”からアクアに対する“きらめき”まで表情で表現。特にアクアの白いサイリウムを見つけてからぱっと輝き出す表情がすばらしく、アクアに恋する“有馬かな”というキャラクターを見事に演じている。

原が演じる有馬からは、素直ではない有馬の性格とそのかわいさがにじみ出ている。ライバル関係のあかねや有馬を「重曹を舐める天才子役」と呼んでいたルビーとのコミカルな掛け合いも面白い。実写版『【推しの子】』のキャスティングのなかでも、有馬役の原はトップクラスのハマり役となったのではないだろうか。こういった原作のイメージを忠実に再現する俳優の存在が、実写化の高いクオリティに繋がっているように思う。

『【推しの子】』から生まれた楽曲の数々

『【推しの子】』からはアニメ、実写版を含めさまざまな楽曲が生まれた。第5話のJIFにて披露した、思わず口ずさみたくなるようなキャッチーさがあるオリジナル楽曲「我ら完全無敵のアイドル!!」。そして、B小町の代表曲ともいえる「サインはB」。どちらもライブで盛り上がり必至の中毒性の高いアイドルソングだ。

また、実写版『【推しの子】』は主題歌が毎話変化する。第4話では、MEMちょがアクアにB小町のメンバーに誘われた直後、MEMちょ役を演じるあのがボーカル・ギターを担当するI’sの「Past die Future」が主題歌として流れる。第6話では『東京ブレイド』のオープニング風の映像とともにWANIMAの「爛々ラプソディ」が流れ、物語の一部として自然に溶け込む演出が秀逸だ。

12月20日公開の映画『【推しの子】 The Final Act』では、B小町による「SHINING SONG」がエンディングソングに起用されている。切なく疾走感のあるこの楽曲が、どのように物語のラストを飾るのか注目だ。さらに、本作の重要キャラクターであるカミキヒカル役を二宮和也が務めると発表され、大きな話題を呼んだ。ますます面白くなってきた実写版『【推しの子】』は、いったいどのような結末を迎えるのだろうか。

©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映

まわる まがり

著者 まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。