声優の“リアルが見えてくる”―伊藤美来×豊田萌絵W主演アニメ『声優ラジオのウラオモテ』放送直前に声優業への思い綴る
4月10日(水)よりTOKYO MXほかにて放送が予定されているTVアニメ『声優ラジオのウラオモテ』。第26回電撃小説大賞で《大賞》を受賞した二月公さんによる小説シリーズが原作で、伊藤美来さんと豊田萌絵さんのW主演となる本作について、初回放送が直前に控えた27日、新宿バルト9にて先行上映イベントが開催された。
イベントには1話2話を最速で見られる先行上映会が行われたのち、伊藤美来さん、豊田萌絵さん、長谷川育美さん、東山奈央さんが登壇。トークショーが行われた。伊藤さんは登壇すると、本作のアニメ化について冒頭、「満を持してのアニメ化。キャストも変わらずで、嬉しいです。愛も深まっております」と嬉しそうにコメント。
伊藤美来がJK衣装で登壇、キャラの魅力をアピール
この日は役に合わせてJK衣装で登壇した伊藤さんは自身が演じる歌種やすみについて「表の顔は清純派。でも高校の頃はギャル。とっても可愛いギャップを持っているなと思っております」と紹介しつつも、「見た目はこんな感じでキラキラしていますが、すごく努力家で頑張り屋さん。困難が来ても、まず受け止めて頑張ろうって思うような強さも持っています」とやすみの魅力を語った。
豊田さんも自身が演じる夕暮夕陽を紹介し、「夕陽ちゃんはおっとり可愛い、大人気新人声優という女の子なんです。でも裏の顔は攻撃的陰キャっていう……。ギャップが一番激しいかもしれないです。性格がだいぶ表と裏で違うので。表の顔を応援してくれている人からしたら、裏の顔を知られてしまったらどうなってしまうんだろうって、ハラハラする女の子だと思います」と語った。
続く長谷川さんも桜並木乙女について「先輩で、大人気声優で、名前が桜並木乙女。パーフェクトさがすごいです」と嬉しそうに紹介。「でも、桜並木乙女は裏表はないです。本当にいつも優しく朗らかに接していて、とてもいい先輩。仕事に対しても情熱的で、役者としても鏡のような、素敵な女の子です」と話す。東山さんも柚日咲めくるについて「先輩アイドル声優ということで、先輩でトークもMCも上手でということで、そういう評価を持った女の子だけにそこを演じる時は緊張したりしました」と演じるポイントを伝えた。
「これ言っていいの?」アフレコで感じた“リアル”さ
そのまま話題はアフレコに移ると、伊藤さんは「やりながら出てくるセリフが今の声優さんに対してズカズカ言って来るような言葉が多くて……。セリフがとてもリアルなんです。それを見たり、演じたりしながら『痛い、痛い』って。『これ言っていいの?こんな裏話していいの?』っていう話はみんなでアフレコ現場でしていました」と笑顔で振り返る。
声優が声優を演じる内容だけに共感できる部分も多かったといい、何より普段、アフレコをしている現場がそのままアニメになっていることに4人とも驚いたとのこと。豊田さんは「楽屋の映像で、ゴミ袋を机に貼ってある風景は結構、私たちの楽屋あるあるなんです。その楽屋の映像があまりにリアルで笑ってしまいました」とその一例を挙げ、伊藤さんは原作者の二月さんについて「めちゃくちゃ愛に溢れる方。声優の仕事にリスペクトを持ってくれているのがわかるんです。すごく理解がある感じでした」と印象を語った。
アニメの内容に絡め、自分自身の裏表の有無が話題となると、4人はそれぞれ顔を見合わせ、「いや、特に……ないよね」と照れ笑い。伊藤さんは「でも豊田さんはアフレコ現場で千佳を演じているんですけど、(千佳と違って)めちゃくちゃ喋っていましたよね。ムードメイカーでした。現場大回ししてました」と豊田さんの役とは真逆の意外な表情を紹介します。豊田さんはこれに「千佳と私は本当に真逆なんです。キャラクターで言えば、私はどちらかというと由美子の性格に近いんです」と釈明。「この後、また発表があると思うのですが、素敵な先輩方がたくさん登場するので、先輩方とお話しがしたくなって……」とアフレコ時、おしゃべりになってしまった理由を照れ臭そうに話した。
「声優とは夢を与えられる仕事」声優業に込めた思い語る
また、それぞれが声優の仕事について語る一幕もあり、伊藤さんは「声優とは夢を与えられる仕事だと思います。なかなかこんな仕事はないです。しかも今の声優さんはなんでもやっている。歌もお芝居もなんでもできるスーパー職業だと思います」と話します。豊田さんも「私にとっては、当たり前というか。生きていく上で必要な空気のような存在かなって思います。人を幸せにできる職業だなと思っています」と声優業について語り、「私自身、アニメが大好きというのがあるので、小さい頃からアニメを見て救われてきました。由美子や千佳の気持ちがすごくわかります。そんな声優を今自分が仕事にできているのが嬉しいです」と語った。
そして、長谷川さんも「自分に自信をくれるものかもしれないです。自分のことがよくわからなくて、私は、自分のこと『なんなんだろう』ってなりがちなんです。でも、作品だったりキャラクターをいただけると、すごく自信が持てます。その役の人生を預かる嬉しさがあるんです。声優でなければこんなに自信をもらえる瞬間はないと思います」と述べ、東山さんも「それぞれのビジョンがあって面白いですね」と3人の話に耳を傾けつつ、「ずっと考えていることではあるんですけど、私にとっては心の福祉の一つだと思っています。声が優れていると書いて声優と読みますよね。人偏に憂い。憂いている人の隣にいる人が優しい、という意味なのだと思いました。暗い気持ちになっている人を声で励ますのが声優としてのお仕事なのかな、と。心の福祉だと思っています。」と持論を展開した。
オープニング主題歌『Now On Air』(5月1日発売)と、エンディング主題歌『STAND BY YOU』も話題となり、伊藤さんは『Now On Air』について「夢に向かって必死にもがく、ちょっと泥臭いことも『かっこいいよ』と言ってあげる、そんな曲になっています。頑張っている人の背中をそっと押してあげるような楽曲になったと思います」と胸を張り、 豊田さんも『STAND BY YOU』について「やすみと夕陽が歌うんですけど、アイドル声優がテーマになっている作品で、ザ・アイドル声優という感じの曲かと思っていたら、結構しみる感じの曲」と紹介。
伊藤さんは最後に、「声優ってこうやって仕事しているんだな、こういう気持ちで這い上がってきているんだなみたいな、そういうリアルなところが見えて来る作品だと思います。それを皆さんがどう受け止めてくれるのか今からそわそわします。見た後に感想がいただけたら嬉しいです。繊細なセリフが原作同様散りばめられていますので、そこもチェックしてほしいなと思います」と作品の見どころについて述べ、「私たち自身も心を込めて演じています。それぞれが声優なので、いろんな引き出しを開けて演じていると思います。そのリアルさが伝わるといいなと思います」と話し締めくくった。
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