甚爾と恵、アフレコは親子のような安心感も?『呪術廻戦』内田雄馬×子安武人が「渋谷事変」を語る〈インタビュー〉
毎週木曜日23時56分よりMBS/TBS系列全国28局ネットにて放送中のTVアニメ『呪術廻戦』第2期について、伏黒 恵役の内田雄馬さんと、伏黒甚爾役の子安武人さんとのスペシャル対談インタビューが到着。
呪術師VS.呪詛師・呪霊のかつてない大規模な呪い合いを描く『呪術廻戦』「渋谷事変」。第40話(第2期16話『霹靂』)では、圧倒的な強さで迫る伏黒甚爾に、伏黒 恵が追い詰められ、激しい闘いを展開するシーンが描れた。
――第35話「降霊」(第2期11話)で、甚爾が再び姿を現し、圧倒的な強さを見せつけました。「懐玉・玉折」に続き再び甚爾を演じられることになり、子安さんはどのような気持ちで収録に臨まれましたか?
子安:原作を読んでいるので甚爾が「渋谷事変」にも登場するとわかってはいたのですが、「待っていました!」という気持ちでした。
――「懐玉・玉折」と比べて、演じる際に変化した部分や意識したところはありますか?
子安:他のキャラクターにとっては年数が経っていますが、甚爾は「懐玉・玉折」の頃のまま姿を現したので、変化をつけようとは思いませんでした。ただ、孫から姿が変化して甚爾になるので、僕の声だって気づいてもらえなかったら怖いなと思っていたのですが、放送時にSNSなどでファンの方たちが「甚爾が来た!」と盛り上がってくれていたので、特徴のある声で良かったなと思いました(笑)。
内田:僕も思いましたよ。「来たー!」って(笑)。 子安:息子にもそう言っていいただけてありがたいです。36年間声優としてやってきて良かった!
――そんな息子・恵と甚爾との激しい闘いが、 第40話「霹靂」(第2期16話)で描かれました。物語の印象はいかがですか?
子安:五条との戦いの時と同じで、実際は恵は甚爾を父親だと認識していないんですよね。「なんだこいつ」と思われているという(笑)。
内田:そうなんですよね。やたらと強い、ヤバいやつが突然現れたぞって(笑)。
子安:映像もすごかったですね。原作をさらに味付けしていた。
内田:描写の膨らませ方がすごかったですよね!
――お芝居について、何かお2人で話したことはあったのですか?
子安:演技についてはないのですが、別の現場で雄馬くんと一緒になった時に「今度よろしくね!楽しみなんだ!」と話しました。とはいっても、恵と甚爾が会話するシーンなんて少ししかないんですけどね。でも、本当に楽しみだったんです。コロナ禍で分散収録が多かったので、たった数言の会話でも、同じ空間で同じ時間を共有しながら演じるとやはり違う。肩を並べてセリフを掛け合えることがどれだけ嬉しいことか、改めて感じました。
内田:誰かと掛け合うと、自分が作品に入っている感覚がより深まると思います。つねに役の思いを考え、その役として呼吸をするようにしていますが、一緒に録って緊張感を共有すると、より感覚が研ぎ澄まされるというか。一緒にいないと生まれないものは、絶対にあるんですよね。 今回は、本当に子安さんと一緒に録れて良かったです。恵は甚爾を父親だと認識してはいませんが、役ではなく内田雄馬としては“親子”としての意識があって、なんだか安心感を覚える現場でした。
子安:僕もあれ以来ずっと、雄馬くんのことを本当の息子のように感じてしまって(笑)。実際の息子とも年齢が変わらないので、自然と父親の感覚になり、あの最後のセリフに繋がりました。その感覚を共有できたことは嬉しいですね。
――これまでの登場シーンを振り返って、ご自身が演じるキャラクターの魅力に感じる部分を教えてください。
子安:僕は原作を読んだ時から、甚爾に一目惚れしました。人間的にダメだけど強いって、すごくかっこいいですよね。見た目もすごくかっこいいですし、生き方にも少し憧れる部分があります。何のしがらみもなく、自分を解放して、好きなことをして生きるってどんなに楽しいんだろう。実際にはこんな生き方はできないので、だからこそ声優として演じることができて嬉しいです。こんな幸せなことはないですよ。
内田:そんな甚爾と比べると、恵ってしがらみだらけですよね。表面的に見ればクールですし、言葉を大きく発することもしない。しかし、内ではすごく人のことを見て、考えている。そして色んなことを考えた結果、自分を犠牲にする選択までしてしまう人。その“表に見せない部分”を演技にどう乗せられるか毎回悩むところではあるのですが、彼の魅力はそこにあると思っています。
――「渋谷事変」後半放送に向けて、視聴者へのメッセージをお願いします。
子安:まだまだ過酷な話が続いていきます。これからは視聴者として、うちの息子がどれだけ頑張っているのか、草場の影から見守っていきたいなと思います(笑)。
内田:本当にしんどいシーンの多い「渋谷事変」。しかし、ここからがよりハードな戦いになっていきます。登場人物みんなが必死で生きているので、覚悟して最後まで見届けてください。
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会