アニメ『星屑テレパス』放送記念インタビュー:キャスト陣語る「宇宙を目指す青春ストーリー」の魅力とアフレコ秘話


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10月9日(月)より放送開始となったTVアニメ『星屑テレパス』。本作はまんがタイムきらら(芳文社)にて連載中の大熊らすこ氏による4コマ漫画作品を原作とする新作TVアニメとして、内気で人見知りの女の子と自称宇宙人の女の子、そしてその周りに集まってきた仲間たちが宇宙へ向かうためのロケットを作る過程で成長していく”青春ストーリー”となっている。

今回、そんな本作にてキャストを務める小ノ星海果役・船戸ゆり絵さん、明内ユウ役・深川芹亜さん、宝木遥乃役・永牟田萌さん、雷門瞬役・青木志貴さんの4名へインタビューを実施。
原作や演じたキャラクターに対する思い、アフレコのウラ話から”推し”ポイントまでたっぷりと語っていただいた。
(取材/文/写真:編集部)

ーーまずは原作を読んだ感想を教えて下さい。

船戸(敬称/以下同):私はオーディションを受ける際、初めて『星屑テレパス』を読ませていただきましたが、本の表紙がとても美しいのにどこか儚く、何か不思議な惹き込まれる魅力を感じました。

その魅力に惹かれ読み始めると、登場するキャラクターの可愛らしいさと同時に、個々の悩みや思春期特有の葛藤など、人間味のある作品だと思ったのが印象的でした。一部人間じゃない子もいますが(笑)
キャラクターたちの表情も細かく美しく描かれており、そこにある青春ドラマが面白くて思わず読み進めてしまいました。

深川:私は読み始めたとき、4コマ漫画なのに、コマの枠から飛び出して描かれているのが新鮮!なんて新しいの?とびっくりしたんですよ。そこから読んでいく間に、可愛い女の子たちが(心理的に)戦っていくシリアスな雰囲気に入り込むのも、またびっくりでした。

そして、キャラクターの一人であるユウちゃんが気になり始め、明るいけれど、どこか大人な感じで皆のことを見ていたり、みんなの願いを叶えたい!といった情に厚いところに惹かれました。
そのあと、オーディションの時にマネージャーさんから「ユウちゃんを受けてください」って言われて、相愛ラブ!ってなったのを覚えてますね(笑)

永牟田:私も深川さんと同じで、絵が美しいと感じたのが始まりではあるのですが、その中で「本当に描いていいんですか」と思うほどにキャラを掘り進めていってくれるストーリー性に驚きました。
また、話が進む中で各キャラクターそれぞれが抱える悩みが見えてきて、全てにどこか共感できる要素があることが一番の魅力であり、読み手としても感じられる要素でした。

そして読み終わったときには「この4人がこんなに頑張っているなら私も頑張るぞ」と思える元気をもらえるような作品でもあるので、それが印象に残っていますね。

青木:私はオーディション資料をいただいてから原作を読み始めたのですが、まずキャラデザインの可愛らしさに惹かれました。
皆さんがおっしゃっている通り、絵柄は非常に可愛らしくて綺麗なので可愛い女の子たちによるほのぼの系のストーリーかな?と思って読み進めたのですが、キャラクターたちが困難に直面する場面には、各々に刺さるような内容が描かれるなど、意外にも内容が非常に深かったのが印象的でした。

また、個々のキャラクターの性格や特性が重ならないため、読者の中には必ず共感できるキャラクターが一人はいると感じられる作品でした。この作品は青春の情熱がたっぷり詰まったもので、ただ女の子たちが可愛くキャッキャやってるだけじゃない、熱血あふれる青春ストーリーとしても楽しめると感じて、私自身もその魅力に引き込まれ、楽しく読ませていただきました。

ーー改めまして、みなさんが演じるキャラクターのご紹介をお願いします。また、役を演じる上で共感したようなポイントはありましたか?

船戸:海果ちゃん(小ノ星海果)は、内気で人とコミュニケーションをとるのが苦手な普通の女の子ですが、その一方で「宇宙人に会いたい」「自分の気持ちをわかってもらいたい」といった情熱の持ち主でもあり、内に秘めた強いエネルギーを持っている子でもあると思います。

海果ちゃんは心の中で強く思い描くことがあるのに、それをうまく表現できない葛藤を抱えていて、その部分が彼女の大きな悩みであり、私が共感するところでもありました。私もデビュー当時、同じような経験をしていて、(このようなインタビューの場で)言いたいことと実際に言ってしまうことが違ってしまうことがありました。

その点で海果ちゃんと似たような思いをしており、私も成長の過程でアドバイスを受けたりして、少しずつ改善していった経験があります。そんな海果ちゃんの悩みに共感しながら、演技の方にも臨ませていただきました。

ーー船戸さんにはアフレコで「海果ちゃんと似たような思いをした」という裏話があるとお聞きしました。

船戸:あります!初めましての方だと未だにちょっと緊張しちゃう部分もあるんですけど、(本作の)初回収録で深川さんとほぼ2人しかいない時に、めちゃめちゃ勇気を振り絞って「一緒にご飯行かない?」と言って誘うことができました!

その日はとても寒かったのにも関わらず、手汗がすごく、深川さんが手を握ってくれて「はっ!?!?」「海果もきっとこういう気持ちだな!」となってしまって、収録外でも海果の気持ちに共感して勝手にシンパシーを感じてたりしました(笑)

おでこで相手の心情を知るユウの能力”おでこぱしー”を再現するお二人

深川:ユウちゃん(明内ユウ)は自称宇宙人なんですよ。本当に宇宙人かどうかわからないですけどね(笑)
陽気でありながら、ちょっとした母性も感じさせる素敵な一面がありますし、海果ちゃんに対する包み込むような深い愛情を持っている子だと思います。

あと、何よりセリフの言い回しも力強いのが印象的で、遥乃ちゃんや瞬ちゃんに対しても「あなた、そこまで言うの?」と思ってしまうような、率直に物事を言うシーンもありますが、その部分もユウちゃんの強さとして受け止めることができました。

ユウちゃんだからこそ言えたんだろうなというセリフからも、読む側にも強い印象を与え、海果ちゃんの理解者であり協力者としての存在を描いていると思っていて、自分にもユウちゃんのような友達がいたらな、と羨ましい気持ちも持ちつつ演じさせていただきました。

ーーちなみにですが、ユウちゃんの宇宙語、アフレコだと相当難しかったと思います…

深川:ペッギョヴ=モヴロヴピヴーバヴヴ=ヴヴ!……めっちゃ練習しました(笑)
今年の流行語を目指していきたいと思います。

永牟田:遥乃ちゃん(宝木遥乃)はとにかく優しくて柔らかい!っていう印象が一番強いんですが、ちょっと一歩引いてみんなをフフフって見守っている部分の印象もすごく強いです。なので、結構踏み込んで言葉を発してるユウちゃんとは逆に、皆に踏み込まずに周りから包み込むような包容力がキャラクターの特徴かと思いました。でも、話が進むにつれ”壁”にぶつかるところがあって「このままでいいのかな」「踏み込まないでいいのかな」「この関係を崩したくないからこそ、この辺でやめとこう」みたいに悩んで葛藤するところが凄いわかる…って共感しました。

そして、私も結構はっきりしないタイプでして、遥乃ちゃんの周りにはユウちゃんや瞬ちゃんみたいにガツンと言葉で伝えてくれる友達がいて「確かにこのままじゃダメだわ」となることが一杯あるので、めっちゃわかるって一番なりました。

でも何より一番分かる!ってなったのが瞬ちゃんに「どうせ休みの日にカフェ巡りしてるな」「そういうやつだろ」みたいに言われてるセリフのところで、自分もカフェに行くのが好きなので一番刺さったかもしれません(笑)

青木:瞬(雷門 瞬)は一匹狼みたく一人で行動してることが多くて、他の3人に対しても口が悪くてズバズバ物事を言っていくような強気なキャラクターで、人間付き合いは不器用な方ではあるんですけど、人を遠ざける不器用さではないというのが特徴で、その点は自分の不器用さとは違うものを感じました。

また、瞬はツンデレっぽさやギャップも可愛いところがあって、みんなにガミガミ言って気が強い面もあるんだなって思いつつも、甘いもの好きみたいな可愛さのコントラストというのもすごく魅力的だなと思います。

そして、物語が進んでいく上で、他の3人がふわふわ可愛らしい感じでやりとりしている中、瞬だけがビシッと締めるといった「まとめられているかわからないけど頑張ってみんなをまとめなきゃ」みたいな責任感が強い一面もあったりして、リーダー気質のある常識人というか…一番まともな人間なのかなとも思ったりしますね。

船戸・深川:助けられております(笑)

ーーオーディションが各キャラ50人程の応募があったとお伺いしております。見事合格し、アフレコを進める中で、自分が選ばれた理由は制作陣からお聞きしましたか?

船戸:選ばれた理由を伺ったら「海果と一緒に成長してくれそうなパワーを声から感じた」とのお話をいただいて、声優としてこんなに嬉しいことは他にない!と思うほどに感動しましたね。
それがあまりに嬉しすぎて、その場では表立って表現はしていなかったのですが、心の中で喜びの舞を舞ってました(笑)

深川:ユウちゃんって元気いっぱいなところと大人っぽいところの二面性を備えているキャラクターで、その2つの性格のグラデーションの表現がよかったとお聞きしました。
私は今まで”大人な一面”があるとは思っていなかったので、ユウちゃんの個性的なキャラクターによってそれを見つけて貰えたことがとても嬉しかったですね。

永牟田:遥乃ちゃんみたいなお姉さんっぽいキャラって「意外とみんなこんな感じだよね」といった認識があったから(4人の中で)一番選出に難航したと聞きました。そんな中で、遥乃ちゃんは一歩踏み込めないちょっとふわっとした感じの仕草を引き立て、ただのお姉ちゃんっぽい子にしたくないという意向があったそうです。そこで、私が新人だったこともあり、作品と遥乃ちゃんと成長してくれることに期待して貰えたのではと思っています。

ーー永牟田さんは初めてメインキャラクターの声優を務めるとのことでおめでとうございます。

永牟田:ありがとうございます。遥乃ちゃんに一目惚れして、志願して遥乃ちゃんを受けさせていただいたので「遥乃ちゃんをやりたいんだ!っていう愛が伝わった」と言っていただけて、すごく嬉しかったです!

青木:僕は自分の演技や評価について、他人から直接聞くのはちょっと照れくさいんですよね。
だけど、最終回のアフレコが終わった後、原作のらすこ先生と直接お話する機会があったとき「私は青木さんにだけ瞬役をやってもらいたいと(オーディション中に)瞬間的に思った」と言っていただけて、本当に嬉しかったのを覚えています。

ーーそれでは最後に、これから放送を楽しみにしている視聴者や原作の読者に向けて、ここに注目してもらいたい!という「推しポイント」を厳選して一つ教えて下さい。

船戸:たくさんの魅力が詰まっていますが、特に挙げるとすれば、登校のシーンです。本作では登校した際の風景や挨拶が描かれる場面が多いのですが、その中でも「ボナヴー」「マティヴー」という独特な挨拶があり、そんな挨拶は間違いなく『星テレ』でしか見られないと思います。
そして、その挨拶と共におでこぱしーしちゃう、ドキッするシーンを見てほしいです!

深川:じゃあ私は2つ言わせて下さい。
船戸:絞りきれてない!(笑)
深川:自分自身と同じような青春時代を歩んだキャラクターが一人は登場すると思うので、この作品を通じて、過去の自分を振り返るような感覚を味わってみてもらいたいのが一つ。

そしてもう一つは、ユウちゃんが主人公の「うみか」という名前を言う回数です。「うみか」という名前がどれだけ登場するか、ぜひ数えてみてください!本当に毎回言っているのでチェックポイントです。

永牟田:本作では、登場人物4人全員が作中で涙を流していると思うんですけど、それぞれの涙が「嬉し涙」「悲し涙」「悔し涙」さまざまなので、その点にも注目してみていただけると、より一層作品に寄り添いながら感情移入できると思います。

一同:みんなめっちゃ泣いてるよね。

青木:本作は結構シリアスなシーンが多いのが特徴ですが、各話ほぼ毎回「Cパート」がついていて、そのCパートが本編の息抜きのような、ほっこりする内容だったりするのでこうした細かい点にも注目していただければなと思います。
なので、チャンネルを替えず、エンディング後の最後まで見てほしいです。

ーー貴重な裏話から見どころまでありがとうございました!

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アニメ『星屑テレパス』作品情報

人とのコミュニケーションが苦手な女子高生の小ノ星海果は
自称宇宙人の明内ユウと出会い、なんと宇宙を目指す約束をする。
そして副学級委員長の宝木遥乃や不登校気味の雷門瞬たちとの出会いの中でロケットを作ることになり──
女子高生たちがロケットを作って宇宙を目指す”青春ロケット”ストーリー!

【原作】大熊らすこ(「まんがタイムきらら」連載芳文社刊)
【キャスト】小ノ星海果:船戸ゆり絵/明内ユウ:深川芹亜/宝木遥乃:永牟田萌/雷門瞬:青木志貴/笑原先生:高森奈津美/小ノ星穂波:羊宮妃那
【アニメーション制作】Studio五組
【放送】10月9日(月)よりTOKYO MX・BS11ほかにて毎週月曜日21時〜放送
【配信】FODにて独占先行配信

©大熊らすこ・芳文社/星屑テレパス製作委員会

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。