<楠木ともり×鈴代紗弓>バトル、百合、ギャグ、シリアス…数多の側面が魅力!新作アニメ『ひきこまり吸血姫の悶々』メインキャストインタビュー


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10月7日(土)よりTOKYO MX、BS日テレほか放送開始となる秋アニメ『ひきこまり吸血姫の悶々』について、よ初回エピソードとなる第1話「引きこもり吸血鬼、外に出る」の放送・配信が順次スタート。

この度、本作にてメインキャストを務めるコマリ役・楠木ともりさんとヴィルヘイズ役・鈴代紗弓によるオフィシャルインタビューが到着。作品やアフレコ時の印象、それぞれが演じるキャラクターへの思いから作品の楽しみ方までたっぷりと語られている。

「掛け合いはテンポ重視で、やっちゃって良い現場でした」

――いよいよ「ひきこまり吸血姫の悶々」のオンエアが迫ってきました。あらためておふたりは本作のどんなところに魅力を感じていますか。

楠木:原作を読んだときに感じたのは、コマリ(テラコマリ・ガンデスブラッド)が超かわいいってことです(笑)。原作の文章を読むだけで、コマリの表情が浮かんでくるんです。同時に、この作品には「エンタメ戦争」というキーワードがあるんですけど、その中でかわいいだけじゃない一面が見えてきて、いろいろな人と考え方がぶつかる部分や熱い展開などが出てきて、原作を読んでいると息つく間がない、とても面白い作品だと思っています。

鈴代:作品全体に勢いがすごくあるんですよね。「バレたら即下剋上」っていうキャッチフレーズのように、ハラハラする展開や緊張感があるストーリーと、ギャグのギャップがすごく面白いんです。あと、キャラクターにヘンタイが多くて(笑)。ヘンタイのヴィル(ヴィルヘイズ)とかわいいコマリの関係性に惹かれるものがありました。

――そんなコマリに、おふたりはどんな印象を抱かれていますか。

楠木:将軍だけど、将軍らしくないところのギャップが魅力ですよね。将軍って堂々としているものだと思うんですけど、コマリは必死でイキってる。背も小っちゃくて、本当は力もない。けれど、必死でやっているうちに、いつしかカリスマ性が出てくるというところが主人公っぽいなって思いますし、コマリの魅力だと思っています。コマリは将軍になってしまって、たくさん苦労するんですけど、その中でも一番苦戦しているのがメイドのヴィルに対してなんですよね(笑)。ヴィルといっしょにいるときのコマリは、ツッコんだり、言いくるめられてシュンとしちゃったり、いろいろと面白い表情をするので、そこも彼女の素敵な部分かなと思っています。

鈴代:アニメPVで、コマリを演じるともりの声を聴いたんですいけど、アニメになって、コマリの解像度がより深まるような感じがありました。コマリはとにかくツッコミが多いキャラクターなんですけど、ともりのツッコミのレパートリーが多彩で。いっしょに掛け合いをしていると、ツッコんで欲しいいところに的確にツッコんでくれるんです。そのツッコミ、待ってた! みたいな(笑)。

楠木:うれしい~! 今回のアフレコでは掛け合いを重視してくださったので、私もボールド(セリフを言うタイミングを示す記号)をわりと無視してセリフを出して、テンポの良いやり取りをすることができました。すごくありがたい現場でした。

鈴代:コマリのツッコミがあって、ヴィルも引き立つんです。ヴィルはわざとボケようとして変な発言をしているわけではないので、ツッコミがないとしっちゃかめっちゃかになってしまうんですよね。そこをともりが演じるコマリが的確にツッコミを入れてくれるので、すごくライブ感がある掛け合いになったなと思って。めちゃくちゃ楽しかったです。

楠木:収録前にあまり考えすぎないようにして本番に臨んだので、現場で生まれるものが多かった気がします。

――さて次に、コマリ将軍に仕えるメイドのヴィルの印象もお聞かせください。

鈴代:最初、キャラクターの立ち画を見たときのヴィルは、コマリ様にしっかりとお仕えしているメイドという印象があって。かわいらしいし、綺麗だなと思っていたら、ドがつくくらいのヘンタイでした(笑)。すでに公開されているPVでも「(おしっこを)漏らしながら聞いてください」とかさらっとヤバいことを言っていて(笑)。変なことがあたりまえというか、自分がヘンタイだっていう自覚があるんだかないんだかわからない危うさみたいなものがあって。見た目と言動のギャップが良いなって思っていましたね。私はそういうギャップを感じる役を演じるのがすごく好きなので、どんなふり幅にしようかと考えながらアフレコに臨ませていただきました。

楠木:紗弓のヴィルは良い意味で……想像以上にヘンタイでした。

鈴代:ははは。ヘンタイって正解がないんですよ。とりあえず1回やってみようという感じで、音響のスタッフさんも制作のスタッフさんもOKを出してくださって。やったもん勝ち、な現場でした。ヴィル以外のヘンタイな役のキャストさんたちも「ああ、やっちゃっていい現場なんですね」と言っていて(笑)。ヘンタイシーンが来るたびに、みんな「ここで爪痕を残してやる」みたいなチャレンジをしていらっしゃいました。

楠木:ヴィルはセリフだけでも十分にヘンタイなんですけど、そこに紗弓がマシマシで足してくるので、本番前のテスト収録のときに「気持ちわるっ!」ってリアルに思えました(笑)。でも、そうやって本当に気持ち悪くしてくれるから気持ちよくツッコむことができるんです。あと、ヘンタイの部分もすごいんですけど、ヴィルのメイドとしてしっかりしている部分のセリフの滑舌がめちゃくちゃ良くて。
鈴代 ギリギリでやってました!

楠木:この作品はヴィルがいろいろと説明してくれるシーンが多いのですが、長いセリフも淡々と抑揚をつけずに綺麗に聞こえてくるんです。キャストの間で「滑舌がいいよね」って話題になっていたくらいの綺麗さだったんです。オンエアが始まったら、ヴィルのヘンタイな言動に注目が集まると思うんですけど、一方でそういうヴィルのしっかりしている部分でも紗弓が頑張っているんだってことにも注目してほしいです。

――楠木さんと鈴代さんご自身は「お世話されたいコマリ派」? それとも「お世話したいヴィル派」? どちらでしょう。

楠木:私は「お世話されたい派」ですね! できれば、何もしたくない。コマリはひきこもりなんですけど、小説を書いていたり、自分のやりたいことがある女の子なんです。そのあたりは私にも似ているなって思います。自分のことで手一杯、お世話されたい、甘えたい派です。

鈴代:私は「やるときはわりと行動しがち」なので。ひきこもっている子がいたら、外出てみようよと誘っちゃうタイプです。

――じゃあ、「お世話したい派」?

鈴代:ともりのお世話をしちゃいます。私もヴィルみたいにポンコツなときがあるので、ともりにツッコんでもらいたいです。

個性が強すぎるキャラクターたちが勢ぞろい

――この作品の舞台となる世界には、「魔核」というものがあって兵士たちは死ぬことなく戦争をしているということになっています。この世界観については、どんな印象をお持ちでしたか。

楠木:作品は「死んでも生き返る」っていう世界観がベースになっているんですが、コマリは死ぬことに恐怖心がある子で。死を軽くとらえていないので、この世界で生きる人たちとは違う、私たちと感覚が近いところがあるんですよね。もちろん作品として考えると、必死で倒した相手が次の回にあっさりと登場するので拍子抜けするところもあるんですが、死に対する考え方がキャラクターごとにそれぞれ違うというのも、この作品のキーになってくるところだと思います。

鈴代:そうなんですよね。死んでも生き返ることもある世界なんですけど、実はいろいろな条件を満たしたときに、本当に死んでしまう場合がある。この2段階の死があるという設定は今作ならではだと思うので、その死をめぐる緊張感もひとつの注目していただきたいポイントのひとつです。

――コマリは将軍として軍隊を率いることになります。いろいろなキャラクターが次々と登場しますが、楠木さん鈴代さんが気になったキャラクターはどなたでしたか。

楠木:メラコンシー(コマリ率いる第七部隊の幹部)です。彼はラップをするんですが、そのラップとキャラクターの動きがすごいんです。スタッフの方に聞いたら、ひとりだけ作画コストがかかっているらしいので(笑)、ラップシーンを早く見たいなって思っています。実は、コマリもラップするシーンがあるんですけど、メラコンシー役の畠中祐さんにいろいろと教えていただきました(笑)。

鈴代:私はやっぱりミリセントですね。ヴィルやコマリとの関係性や、作品そのものにも大きく関わってくる存在なので、すごく気になっています。

楠木:ミリセントは怖いんです。登場の仕方から、この人とは関わりたくないなって思わせる感じがあって。でも、関わっていくうちに、コマリと考え方が違うところがわかってくる。この作品の大きなアクセントになっていく存在ですし、いろいろと注目していただきたいキャラクターでもあると思います。

鈴代:この作品はギャグとシリアスが入り混じっているところが魅力なんですが、シリアスにあたる部分をミリセントは背負っているキャラクターなんです。この作品はファンタジーだけど、ミリセントが登場すると生々しくなる。胸がギュッとなるようなところもあるんです。

楠木:でも、嫌いになれないんですよね。そういうキャラクターがたくさん出てくるところがこの作品の魅力だと思います。

――これからオンエアが始まる「ひきこまり吸血姫の悶々」をどのように楽しんでいただきたいですか?

鈴代:原作の勢いやテンポ感が、アニメでもいい感じに落とし込められていて、メリハリがある展開になっているので、とても見やすい作品だと思います。キャラクターが本当に濃いので、どのキャラクターも楽しんでいただきたいですし、コマリとヴィルのいちゃいちゃも、ヘンタイ加減も楽しみにしてください。

楠木:バトルアニメだけじゃないし、百合アニメだけでもない。ギャグもあり、シリアスもあって全部が入っている作品なので、先入観を一切合切捨てていただいて、ギャグシーンは思いっきり笑っていただきたいし、シリアスシーンは思いっきり集中して観ていただきたいです。自分はどのキャラクターと考えがいっしょかなとか、もし死んでも生き返るという状況になったときに自分ならどうするかとか。自分と照らし合わせながら見ていただけると、きっとより楽しめる作品だと思います。

作品情報

ムルナイト帝国の名門貴族ガンデスブラッド家の令嬢、テラコマリ・ガンデスブラッド。
吸血鬼なのに血が飲めないコマリは、魔法が使えない、運動ができない、背が伸びないという三重苦に悩まされ、3年間の引きこもり生活を送っていた。
しかし、ある日親バカの父がとんでもない就職先を見つけてくる。
その名も『七紅天大将軍』!
それは本来帝国の猛者しかなれず、3ヶ月に一度のペースで他国に戦争を仕掛け勝利しなければならない超ハードな役職。
さらに部下たちは元犯罪者ばかりで将軍に就任したコマリに対して下剋上を狙う気満々……。
絶対に断りたいけど、皇帝直々の任命なので辞めることすら許されない。
本当の実力がバレたら即破滅なこの状況……それでもコマリはハッタリと可愛さを武器に己の任務を遂行する!
「私がこれから為すことはな、単純極まりない覇業だ! すなわち、テラコマリ・ガンデスブラッドは――他の5カ国の大将軍を武力で全員ブチ殺し、ムルナイトの国威を全世界に喧伝してやるのだ!」
最強(!?)吸血姫による歴史に残る快進撃がここに始まる!

【原作】小林湖底(GA 文庫/SB クリエイティブ刊)
【アニメーション制作】project No.9
【楽曲】オープニングテーマ:fripSide「Red Liberation」/エンディングテーマ:MIMiNARI 「眠れない feat.楠木ともり」
【放送】TOKYO MX・BS日テレ他にて10 月 7 日より毎週土曜 22:30~
【配信】<独占先行配信>ABEMA 10 月 7 日~毎週土曜 22:30 より配信

©小林湖底・SB クリエイティブ/ひきこまり製作委員会

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。