バンドリPVにLinuxコードが含まれGPLや著作権などの思わぬ話題を生む

バンドリPVにLinuxコードが含まれGPLや著作権などの思わぬ話題を生む

バンドリPVにLinuxコードが含まれGPLや著作権などの思わぬ話題を生む

10月1日にスマートフォン向けゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」公式YouTubeに投稿された動画が「コードライセンス」や「著作権」といった思わぬ部分で話題になった。

話題になったのはバンドリ!公式YouTubeに投稿された「Roselia&いとうかなこ『スカイクラッドの観測者』」のフルサイズPV。この中に演出として登場した「プログラムのソースコードらしきもの」がライセンス大丈夫?といった観点で議論を生んでいる。

※記事内には専門性を有する表現が含まれます

PVにGPLコードが

このPVに演出として写っているコードらしきものを解析したところ「Linuxカーネル」のコードということがわかり、さらに詳細に特定を行い、「groups.c」であることもわかった。

YouTubeより

linux/groups.c at master · torvalds/linux – GitHub

LinuxはWindowsやMacOSといったOS(オペレーティングシステム)の一つで、起源はLinus Torvaldsが趣味で開発したものであり、現在コミュニティベースで開発されている。そのため上記の他OSとは異なり、LinuxはOSS(オープンソースソフトウェア)としてソースコードの公開・無償配布が行われており、指定の規則を遵守するとコードの改変・再配布も可能になる。

※Linuxカーネル…Linuxの中枢部分を指し、UbuntuやCentOS Streamといったディストリビューションにも組み込まれている。

今回の話題に際し、前述の太字で記載した「指定の規則を遵守」という部分が議論の的となっていた。LinuxカーネルはGPL(GNU一般公有使用許諾) v2.0と呼ばれるソフトウェアライセンスのもと公開されており、GPL v2.0の元で公開されているソースコードを再利用した際に「著作権表示とライセンス条文の明記」や「ライセンスの継承」・「ソースコードの開示義務」が定められている。

▶GNU GPL v2.0に関してよく聞かれる質問

それらの点を踏まえた上で、「GPL v2.0で公開されているLinuxのコードをPVの演出として使った場合、開示義務はあるのか?というかそもそも何を開示するのか?」といった内容でエンジニアを中心に盛り上がっていたのだ。

ライセンスは奥が深い

これらの議論に関して「楽曲PVはLinuxソースコードの派生物(二次的著作物)には当たらない」という意見を持っている人が多く、それらを考慮した上で盛り上がっているのが見て取れる。

エンジニアの間で「ソフトウェアライセンス」は無限に語ることができる話題の一つとして有名で、「派生物ではないという線引きとは?」や「引用規定に該当するのか?」「コピーレフトの観点から考慮すると著作権的にどうなのか?」といったさまざまなことが考えられうる。

※コピーレフト…著作権を保持したまま、二次的著作物も含めて、すべての者が著作物を利用・再配布・改変できなければならないという考え方(Wikipediaより)

小林さんちのメイドラゴンでの事例

これらの「動画演出中にソースコードが使われる」という事例は珍しくなく、クール教信者原作のTVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』にも用いられている。

作中9話にてコードを書く小林さんという描写にてPythonと思しきコードが登場しエンジニア界隈で盛り上がっていた。その際に調査したところ、パブリックドメインのPython フレームワークのコードであったことが判明した。「パブリックドメイン」とは一切の知的財産権が発生していない状態を指し、法的問題も発生しない。

これらのことから”コードライセンス”といったIT技術の観点から議論を行うと非常に面白く物事を捉えることができる。(しかし、PV内に登場している「groups.c」のコードは現行の最新バージョンのLinuxに実装されているものではなく、どのような敬意でこのようなコードを使ったのかの審議については気になるところではある)

著: 市井(オタク総研代表/サブカル通信社法人代表)

           

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