声優・梶裕貴の音声AI『梵そよぎ』正式リリース 「声の権利」問題に“明るい未来に貢献したい”とも言及
声優・梶裕貴による音声合成ソフトウェア『梵そよぎ』が21日、CeVIO AIとVoiSona向けに正式リリースされた。これは梶裕貴の声優活動20周年を記念して立ち上げられた「そよぎフラクタル」プロジェクトの一環として開発されたもので、クラウドファンディングでは目標金額の341%となる約3,420万円の支援を集めた。
「梵そよぎ」とは梶裕貴の声優活動20周年記念プロジェクト「そよぎフラクタル」の一環で生まれたキャラクター。梶自身の声をベースに音声AIを開発、声色などを自由に調整できるようになっており、テクノスピーチらによる音声合成ソフトの開発プロジェクト「CeVIO AI」が主導となって、クラウドファンディングなども行われた。
CeVIO AI版では、歌唱用の「ソングボイス」と会話用の「トークボイス」がそれぞれエディタ付きの「スターター」版と単体版で展開。梶裕貴の声をベースに高精度な音声合成を実現しており、音楽制作などのクリエイティブ活動から、交通案内、教育、福祉、医療まで幅広い活用が見込まれる。
価格はCeVIO AI版が「ソングスターター」19,800円、「トークスターター」16,980円(いずれも税込)など。VoiSona版は買い切りのほか、月額制のサブスクリプションプランも用意されている。
なお、近年注目されるAIと声優の関係性について、梶は今年5月の製品化決定にてコメントを公表していた。「声の権利」問題について深く考えるなかで、悪用のリスクを懸念しソフトの開発のみの意向だったと明かしつつも、クラウドファンディングを通じて多くの支援と声援を受け、音声AIの明るい未来に貢献したいと感じ、製品化を決意したという。
使用用途としては、個人や同人サークルに限り、商用/非商用問わず幅広い用途での利用が許可される方針で検討されており、二次創作ガイドラインの策定などを通じて、健全な利用を推進するとしている。