インタビュー:主人公役・福山潤さんも唸った、今期屈指の異色作『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』の魅力


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TOKYO MX、TOKYO MXほかにて毎週水曜日22時より放送・配信が始まるTVアニメ『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』について、7月5日(水)に初回放送となる第1話「自動販売機、移動する」が放送された。

今回は本作の主人公である自販機「ハッコン」を演じる声優の福山潤さんへのオフィシャルインタビューが到着したのでご紹介。放送が始まるやいなや、アニメファンから「異色すぎる」と話題になっている本作の魅力が語られているので、ぜひ本編とともにチェックしてほしい。

※本インタビューは放送前に公開されたもので、第¹話視聴前の方もご覧頂ける内容になっています

ハッコン役・福山潤さんオフィシャルインタビュー

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――物語の内容についての所感をいただけますか?
「まず、タイトルを聞いたとき「いくところまでいったな」と思いました(笑)。新しいジャンルのモノは作られて行く先に進めば進むほど特異点みたいなものが出てくるじゃないですか。「こういう作品ができるくらい、このジャンルは普及したんだな」と。そのときは、まさか自分が作品に関わるとは思っていませんでしたが(笑)。」

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――役が決まったときの感想をお願いします。
「僕は新人の頃「黒板消し」と「玄関マット」を演じていたので、そのころに戻った気分でした(笑)。」

――演じる上で意識したことは?
「正直、正解はわからなかったです。ハッコンの場合、会話によるコミュニケーションはほとんどなく、モノローグがメインなんですよね。そう考えたら、前世である「自動販売機好きの青年」の普通のところを意識するのがいいのかな、と思いました。彼に突出したキャラクター性を持たせてしまうと「迷宮に動かない自動販売機がいる」というぶっ飛んだ部分が殺されてしまいそうですからね。タイトル名とハッコンというキャラクター性を考えつつ、プレーンに演じられたと思います。」

――演じる上で、ディレクションは受けましたか?
「根幹となる演技プランの修正などはありませんでした。こちらとしては「無味無臭のものを持って行こう」という感覚でアフレコに臨みました。演技を出したうえで「作品のテイストや周りに合う、合わない」を判断していただこうと思いまして。
普段の収録の場合、僕が元々やりたいと思っている方向性を提示して、やりすぎなら収めていき、OKなら「どこまでなら大丈夫かな」と調整していくんです。でも今回は「キャラクターのしゃべり方や声を変にいじらないほうがいい」という感覚はありましたね。
『いらっしゃいませ』や『ざんねん』などの定型文はともかく、普段のしゃべりを電子音っぽくしたららどうかな?しかし生声にし過ぎても……」などと考えましたが、そのあたりの塩梅が一番難しかったです。ストーリーは兎も角、お芝居の中心はあくまでハッコンの周りにくる人たち、という風に考えました。」

――アフレコはどのような環境で行なわれましたか?
「コロナシフトの分散収録ではありましたが、メインで絡むキャスト同士の掛け合いはかなりの割合でできました。定型文は別途収録して同じモノを使うのですが、台本上は普通に台詞として書かれているので演りたくなるのですが、そこは自重しました(笑)」

――掛け合いは大変でしたか?
「大変だったのは、彼の単調な定型文のコミュニケーションにしっかり反応しなければならない、ラッミス役の本渡(楓)さんだと思います。こちらはラッミスの台詞にモノローグで受け応えられるので問題はないのですが、実際にラッミスに聴こえるのは定型文だけ。なので「難しいことをしているのは、あなたのほうなんだよね……」と、ちょっと申し訳ない気持ちになりました(笑)。」

――ラッミスをはじめ、個性的な登場キャラクターも多数登場します。
「ラッミスはとてもいい子で、ほかにも魅力的なキャラクターがたくさんいるのですが、個人的には熊会長が気になります。熊の姿をして、普通にそこにいますし、彼からは何かすごいものを感じます(笑)。」

――物語序盤の見どころをお願いします。
「「自動販売機になってしまった彼がどのように生きていくのか?」というテーマの話で、異世界転生ものの“お約束”がたくさんあります(笑)。ファンタジー世界に、令和でも活躍する自動販売機が持ち込まれたら、人々がどれくらい幸せになるかも感じていただきたいですね。」

作品情報

小説投稿サイト「小説家になろう」で日間・週間・月間ランキング1位となり、大きな話題となった昼熊先生原作のライトノベル「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」。自動販売機として異世界に生まれ変わるという奇想天外な設定と、魅力的な登場キャラクターが話題となり、日本のみならず海外からも熱い注目を集める人気作。スニーカー文庫(KADOKAWA刊)から原作小説が発売中、「月刊コミック電撃大王」でコミカライズ版が連載中、さらにコミカライズ版が「Comic Walker」「ニコニコ静画」でも公開中の本作が衝撃のTVアニメ化決定!!

【原作】昼熊「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」(角川スニーカー文庫/KADOKAWA)
【放送】2023年7月5日(水)よりTOKYO MX、BS日テレほかにて放送開始
【配信】dアニメストア、DMM TV 毎週水曜22:00~【地上波同時・最速先行配信】

© 昼熊・KADOKAWA/「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」製作委員会

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。