VTuber天音かなたが卒業発表、背景に3つの理由 谷郷CEOは労いと今後の方針言及


VTuber天音かなたが卒業発表、背景に3つの理由 谷郷CEOは労いと今後の方針言及
会見に出席した谷郷元昭CEO(2025年5月13日東京都港区/編集部撮影)

国内大手VTuberグループ「ホロライブ」所属の天音かなたが、12月27日をもって「卒業」することが、運営元のカバー株式会社の発表と本人の告知で明らかになった。

天音かなたは2019年にホロライブ4期生としてデビュー、「天界学園に通う天使」として活動してきたVTuber。2025年8月には有明アリーナで自身初のソロライブ “LOCK ON” を開催するなど、活動の幅も広げていた。

卒業の理由について、天音かなたは自身のXや配信で主に3つの事情を挙げた。まず「当初想定された領域を大きく超える業務外のタスクが何度も発生したこと」。次に、それにより「自分の活動が回らないほど負荷が集中する期間が続いたこと」。そして「仕事の負荷による心身の状態から、活動の継続が難しいと感じるようになったこと」。

これらの問題は数年前より運営側に相談していたが、組織全体の仕組みの見直しが必要であり、活動継続は困難と判断されたという。なお、本発表はすでに数ヶ月前から決定していたようだが、情報漏洩防止のため多くの所属メンバーにも伝えていなかったという。

また、卒業後について「復帰や転生(別のVTuberとして再デビュー)の予定はない」と明言。今後は芸能・VTuber業界ではなく普通の生活を見据え、「自分のすべてを懸けてきた」とする自身での活動に終止符を打つ覚悟を語った。

この発表に対し、カバー社の代表取締役社長 谷郷元昭氏はX上で、「かなたさん、6年間お疲れさまでした!」と感謝を述べ、今後について「タレントの皆さんに寄り添える会社への改善の取り組みを継続して進め、タレントとファンの皆さまが共に笑顔でいられるよう、全力を尽くしてまいります」とコメントした。

同社を巡っては、以前よりファンから各タレントにおける活動のケアについて改善を求める声も寄せられていた。同代表は今年実施の会見で卒業に関する認識を問われた際には「色々個別の事情があっても、可能であれば一緒にパートナーとして活動を続けたいと考えていますので、コミュニケーションのすれ違いによって辞められることが発生しないように、タレントさんの成長にも応えられるような改編を進めているような状況であります」と言及していた。

著者 山本晃平

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