手塚治虫原作「ジャングル大帝」劇場映画リマスターがテレビ初放送!変則的な制作過程にも注目


手塚治虫原作「ジャングル大帝」劇場映画リマスターがテレビ初放送!変則的な制作過程にも注目

全国無料放送のBS12 トゥエルビは、毎週日曜夜7時から放送している「日曜アニメ劇場」で、8月10日に「ジャングル大帝 劇場版(1966)」を放送する。

今回放送されるのは、ヴェネチア国際映画祭サンマルコ銀獅子賞を受賞した手塚治虫原作「ジャングル大帝」初の劇場用作品。今年4月にアニメ60周年を記念して劇場で1週間限定上映されたデジタルリマスター版で、テレビでの放送は今回が初めてとなる。

この劇場版は、テレビシリーズ「ジャングル大帝」の第1話「行けパンジャの子」と第41話「さすらいの死神」の2エピソードを中心に、他の複数話の一部シーンを織り交ぜて再構成された作品。間に第2、4、6、8、10、13、14、20、34、35話の一部のシーンを織り交ぜる形となっている。

テレビ版では輸出作品としての制約から各話完結の物語展開が重視されていたが、劇場版では1本の流れを持った骨太なドラマへとまとめられた。

作品の特徴として、全編に散りばめられたミュージカルシーンが大きな見せ場となっている。音声はすべて新アフレコが行われているが、第41話のみテレビ放映と時期が近接していた関係から、映画用の録音が先に行われ、それを編集してテレビに流用するという変則的な措置がとられた。

放送は8月10日日曜日夜7時からBS12 トゥエルビで行われる。

「ジャングル大帝 劇場版」作品情報

ジャングルを治めていた白獅子の王パンジャが、ハンターの罠にかかって命を落とした。捕獲された妻エライザは、輸送途中の船上で一子レオを出産する。父の遺志を継ぐため、生後間もないレオは海に飛び込み、泳いでアフリカへと渡った。パンジャ二世の帰還を動物たちは歓迎するが、仲間同士の喰い合いを好まない優しいレオは、昔気質のサムソンたちとの間に溝を作ってしまう。しかし、長老マンディの協力により、ついにジャングルに畑とレストランが完成。レオの強い勇気と理想は次第に認められ、実を結んでいった。そんな折、レオたちの前に“死神”と呼ばれるサミー、ジュニア、ディブが現れた。凶暴な3匹はレオを倒し、食物を搾取する。ジャングルの平和のため、不屈の闘志を見せるレオ。その姿に、マンディはパンジャの面影を見た。
-『虫プロ手塚治虫長編三部作』よりストーリーを転載-

レオ:太田淑子
ライヤ:松尾佳子
トミー:明石一
マンディ:勝田久
ココ:田村錦人
パンジャ:緑川稔

©手塚プロダクション

著者 アニメ情報担当