収益化方針に影響は?ポケモンGO、35億ドルでNianticからサウジ出資企業へ売却 運営チームは維持


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ゲーム開発大手のNianticは、サウジアラビア資本からの支援を受ける米国企業Scopely(Savvy Games Group)が同社が開発・運営するモバイルゲーム『Pokémon GO』を買収することを公式に発表した。本件は35億ドル(約5200億円)規模の取引となる。

この売却はNianticのサードパーティ向けゲーム事業全体がScopelyの傘下に入るものであり、『Pokémon GO』のほか、『モンスターハンターNow』や『ピクミンブルーム』などの他の位置情報タイトルも含まれる。Scopelyの最高収益責任者(CRO)はこの件について「『Pokémon GO』は100以上の国で1億人以上のプレイヤーに支持されており、長年にわたる成功を収めてきた」「リアルな場での交流を促進するユニークなゲーム」とヒットの意義を紹介。その上で、「Nianticのチームと話し合う中で、我々は共に業界をリードし、プレイヤーに最高の体験を提供するという共通の価値観を持っていることが明確になった」と述べている。

買収による運営体制の変化は?

ゲームタイトルの運営会社の移管をめぐっては、開発方針や展開が移管前と移管後の起業で異なる可能性があることから、プレイヤーのコミュニティの間でも懸念の声も上がっている。こうした声に対し、Nianticの『Pokémon GO』開発責任者であるEd Wu氏は、「Scopelyは『Pokémon GO』のコミュニティや開発チームを高く評価しており、チームはそのままの形で維持される」と明言。

また、収益化方針について、前同は「長期的な使命を犠牲にして短期的な利益を優先することは、逆効果であり、自滅的であると考えている」とし「私たちの意見が完全に一致していることが確認でいた」とこちらも意見の合致が見られ、方針は現状を継続するとみられる。

最後に「新たなパートナーシップと、ポケモン社との10年にわたる協力関係のもとで、長期的な視点を持った運営が可能になる」と述べ、「この9年間、リアルワールドのコミュニティで何億人ものトレーナーの皆さんにサービスを提供できたことをとても嬉しく思う」と謝意を示した。

著者 編集部 経済・社会担当
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